こんにちは。
記事をご覧頂きましてありがとうございます。
今日は、西陣織の技術とは?ということをお伝えしたいと思います。
技術技術って言うけど、なんなの?何が違うの?という疑問がある方もおられるかもしれません。
そのあたりの理解の一助になれば嬉しいです。
では始めて参りましょう!
1、西陣織とは
改めて西陣織とは「先染の糸を用いた紋織物」となっています。
この定義はもちろん間違えてはないのですが、広義の意味という感覚があります。
加えて、京都西陣エリアでは、「西陣織ではない織屋さん」もいます。
・・・難しいですね。
西陣エリアで織っているけど、西陣織ではない、ということです。
これは、「西陣織」という商標は西陣織工業組合が持っていて、組合員しか西陣織を名乗ることができません。
そういう意味で、西陣織の組合員ではないメーカーは西陣織ではない、ということがあります。
「西陣織」は組合員しか使えません。
西陣織のメーカーです!と言えるのは組合員になってからです。
組合員でもないのに「西陣織のメーカーだ!」ということはできません。
例えば2018年に組合に入ったメーカーは、2016年に言っていたとするとその時点では西陣織のメーカーではありません。
組合員以外は商標違反となります。ご注意ください。
整理すると、西陣織は組合員が織る先染の糸を使った織物、ということになります。
そして、西陣織とは?と言われると、素材や柄をイメージされる方もおられるかもしれないですが、そこも関連しないことを紹介します。
2、「織物の技術」を西陣織のメーカーグループも考えてみる
先ほど言った「素材や柄に関連しない」ということを具体的に言うと、一般的なイメージとして、「西陣織は和柄」「シルクが入っている」みたいなことがあると思います。
ですが、シルクが入っていなくても「西陣織」は当たり前に存在しています。
柄に関しては、和柄はもちろんありますが、モダンな柄やハート、コウモリなどの柄もあります。
つまり、「どんな素材を使っても、どんな柄でも(組合員が織れば)西陣織です」と言えます。
・・・となると、「西陣織って?」ということになりまねません。
これが広義で分かりにくい理由になるかなと思います。
素材もなんでも使えて、柄がなんでもいい、となるとやはり特徴は技術となります。
西陣織の織物は縦糸と横糸で織っていきますが、この横糸と縦糸の絡み具合によって、色の表現や凹凸感を生み出しています。
こちらの画像のAとBの赤は、同じ赤です。
Aは赤い糸を前面に押し出した組織。
Bは縦糸の金と赤を割合として半分ずつの組織を使っています。
その組織の違いで、同じ赤でも違う赤に見えたりしています。
ちなみに、Aの赤の組織では、縦糸は赤の後ろに回っており、地の白糸や金の糸も後ろに回っています。
そう言った形で、「この柄をどうやって立体感をつけるか、そのためにはどの組織をどう見せるか」を考え、組織づくりをしていくことこそが、西陣織の技術だと私は思っています。
したがって、先ほど言ったコウモリ柄も、柄がどう、ということではなくコウモリをいかに前面において、奥行きを織物で魅せるか、みたいなことを技術として表現することが西陣織の技術となります。
そう言った意味で、素材や柄は本質的ではない、ということになります。
3、技術向上は外の意見から(予想)
そんな555年以上続いている西陣織。
様々なことで技術が向上してきました。
最近で言うと、広幅の織機。
やはりこれは「広幅で織れる西陣織」がニーズとして出てきたから開発されました。
他にも当グループでは「光ファイバーを織ってくれ」という依頼があり、実際に織って商品化しました。
そういった様々な外からのニーズなどにも技術が進化・向上する要因があります。
ぜひ積極的に取り入れて、この伝統的な織物に刺激を加えていきたいと思います。
その意味を込めて、ぜひ今後もリニスタグループに色々な問い合わせを頂ければ幸いです。
以上、西陣織の技術についてお届けしました。
ぜひ西陣織の理解の一助になると嬉しいです。
今後もぜひお楽しみに。
ありがとうございました。
tag:
リニスタ 西陣織 メーカー 京都 伝統産業 コラボ 細尾 HOSOO 歴史 #西陣織 #リニスタ #京都 #伝統産業 #伝統工芸 #モノづくり #職人 #織物 #糸 #コラボ #kyoto #nishijin #nishijinori #craftmanshi
Comments