【必見】内装設計図面に入れる前に知っておきたい:西陣織の寸法・取り扱いについて
- リニスタグループ

- 11月3日
- 読了時間: 4分
記事をご覧頂きありがとうございます。
近年、建築・空間デザインの世界でも、西陣織を“素材”として使う発想が広がっています。
織物のもつ柔らかな光沢や陰影は、他の内装材では得られない質感を空間にもたらします。
しかし、実際に図面へ落とし込む際には、織物ならではの寸法特性や加工上の注意を理解しておくことが必要があると思います。
本記事では、設計段階で知っておくべき「西陣織の寸法と取り扱いの基本」をまとめました。
ぜひ、西陣織を内装に使いたい場合の参考にしてもらえると嬉しいです。
1. 西陣織を内装材に使うという発想
西陣織はもともと帯地として発展した織物で、横糸に金銀糸や太いシルク糸・箔を織り込むことで、立体感のある表情が生まれます。
この質感を活かして、壁面パネル・建具・家具面材・照明カバーなどに転用するケースが増えています。
特にホテル・商業空間では、
• 光の当たり方で印象が変わる素材感
• 京都の文化性を感じさせるデザイン要素
として採用される例が多く見られます。
2. 一般的な西陣織の幅と織り長さ
西陣織の寸法は、用途によって異なりますが、帯地を基準に考えると次のような仕様が一般的です。
生地幅:約31cm〜最大150cm
生地の厚み:約0.4~0.8mm程度
生地幅は、やはり織元が持っている織機によって変わりますし、生地の厚みはどれだけ糸を入れるか、色数を入れるかによって大きく変わってきます。
また、帯に関しては、裏に渡り糸があるケースも多く、その処理に関してどうするか、を織元と話す必要があります。
なお、リニスタグループは生地幅150cm、生地の厚みも調整が可能で、裏糸のない生地を製造し、多くの納入事例を作ってまいりました。
この点は株式会社細尾を始めとする数少ない広幅西陣織メーカーの中でも、コストを含めて当グループに優位性があるところです。

3. パネル化・張り込み時の加工寸法
生地幅は色々ですが、やはり壁面の主流はパネル化になることが多いです。
織物は木材や金属板と異なり、「伸び・縮み」「波打ち」などの動きを持つ素材です。
そのため、張り込み時には以下の点に注意が必要です。
• ゆとり寸法の設定
織物は湿度で±1〜2%程度の伸縮が起こるため、パネルサイズよりやや大きめに裁断して仮張りを行います。
• 継ぎ目の処理
目立たせたくない場合は織柄を合わせて縫製または重ね貼りで対応。
デザイン的に見せる場合は「縫い合わせ線」を意匠ラインとして活用することも。
• 裏打ち処理
張り込み前に不織布や紙で裏打ちを行うと、伸縮や波打ちを抑えやすくなります。
特に壁面パネル化の際は、裏打ち+パネル圧着の組み合わせが安定します。
この辺りは工事業者に任せるのか、誰が加工を行うかなどもあり、例えば織元がそう言うことができるのかどうなのかを確認する必要もあるかと思います。
当グループは生地の裏張り・パネル化加工、そして施工まで行うことも可能ですし、生地納めを行うことも可能です。
その辺りも現場の状況などによって柔軟に対応できます。
4. 支給の際の仕様書(素材組成・厚み・裏処理など)
設計図書や支給仕様書に記載する際は、以下の項目を明記しておくとトラブルを防げます。
生地組成:絹やポリエステルの含有パーセント(ポリ100%などや、ポリエステル・レーヨン、絹など)
生地幅:35cm/70cm/150cm など
厚み:約0.6mmなど?(制限が強くなるので柔軟に書くことがいいかもしれません)
加工内容:裏打ち済・防炎処理対応など
支給単位:反単位/m単位
注意事項:湿度・直射日光・摩擦による退色に注意
ぜひ、内装設計業者様・設計業者様、ご担当者様はこの辺りをスペックいただくといいかなと思います。
全て当方は対応可能です。
5. 納入実例のミニ紹介

実際に西陣織を内装材として活用した事例をご紹介します。
• ホテルロビー壁面パネル
金銀糸を織り込んだ織物を防炎処理・裏打ちして木製パネルに圧着。照明の角度で陰影が変化し、高級感を演出。
• 客室ベッドボード
柔らかな光沢のある絹織物をクッション材の上に張り込み、テキスタイルの質感を活かしたデザイン。
• 家具扉・建具面材
樹脂板に西陣織をラミネートし、汚れに強い仕上げに。耐久性を持たせつつ意匠性を確保。
このように、西陣織は「見る素材」から「使う素材」へと進化しています。
6. 設計段階での相談窓口
西陣織を初めて内装材に採用する際は、
「どの程度のサイズで発注できるのか」「防炎加工が可能か」「施工時の注意点」など、
早い段階でご相談いただくとスムーズです。
📩 図面段階での技術相談はこちらから
またはメールにて直接お問い合わせください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。






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